近藤商会 白黒写真展「さくじつのモノクローム」 

札幌在住 卍では初めての展示をしてくださいます。
こだわりのないこだわりの詰まった展示になることと思います。
お楽しみに!

■展示に至る経緯 展示コンセプトに代えて。
「ぼくと白黒写真」
10何年か前、ライカIII型を海外のオークション「ebay」で仕入れて治して試写をし世間に放流するという遊びそしていた。
オークションなのでちゃんとしたカメラだけを売る業者と遺品をまとめて売るバッタ屋が混じっていた。
バッタ屋と知らずライカカメラを一台買ったつもりがオマケで何十倍もある大きさの引き延ばし機もついてきて着払いの輸送費がとんでもないことになり驚いたり疲れたり、ということがままあった。そのような事件があるのでその遊びは今はしていない。
その頃、友人の大澤氏が「ハーフカメラでの写真展」を企画してこれに参加することになった。
ちょうど、ライカ放流遊びの副産物で暗室用品がそろっていたのでそれで作品を作ろう。ということになった。
ハーフカメラ、フィルムの一コマをタテ分割して倍撮れるお得なカメラのことだが、ライカにも一応ハーフ判はある。だがしかし、数が少ないしかも古いというので値段が倍どころでは済まなかったったのでこれを断念。すさまじく高価なカメラで半分の解像度の写真を得る。というのは本末転倒だが、10数年経った今ではそれもオツな遊びに見えてしまうから不思議。
カメラはオリンパスペンを使うことにして、フィルムはコダックのTmax400を100フィート缶で買って使っていた。狸小路を1丁目から7丁目までを往復すると72カットでちょうどフィルム一本という感じ。
現像に失敗してフィルム二本分の144カットをパーにしてしまう事件が二度ほどあって5~6本が展示向けのネガとして生き残ったと思う。
真っ暗な暗室にこもると時間の経過がわからなくなり、気づいたら朝の5時で仮眠してそのまま出社というのも何回かあった。
そんな苦労とかなんとかがあって、ハーフカメラ写真展は盛況なうち終了した。

その後引っ越しなどで暗室は失い道具もどこかへいってしまったのだが、2年前からまた道具をコツコツと集めて昨年ほどから暗室のある生活を開始。
前回のハーフの時の暗室は「展示のためのラボ」だったので「生活と同軸の暗室」は今回が初。
いつもどこへ行くにも目的がなくても白黒フィルムを入れたカメラを持って歩く。
外出したくない日は自宅でフィルムの現像。
気に入ったコマがあれば夜に引き伸ばし。
と書くと楽しそうに聞こえるが、実際は仕事で切羽詰まってたり、車を買って金がないとか、くだらない買い物をしすぎてカネがないだとか、とにかくカネがないとか、普通な生活でございます。
そういった、いわば普通な生活の範囲だったり、どこかへ行ったとか、散歩したりとか、出勤のついでですとか、カメラ直した試写ですとかという「一般的な芸術性」が欠落したカットが山となったわけです。
「一般的な芸術性」はもちあわせてい居ないですが、好きなのです。
今回、卍さんの展示スケジュールが空いているとあってちょうどいいのでお借りすることになりました。
好きな写真を好きなように展示する。そういった「一般的な芸術性」が欠けた写真展にする予定です。