佐々木強仏教画展「釈尊と七高僧」

『BAR&GALLERY 卍』佐々木強仏教画展開催にあたって

 「七高僧」とは、私たち浄土真宗の僧侶や門徒にとって一番身近な「正信偈」というお読みものに登場するインド・中国・日本の7人の僧侶たちのことです。親鸞聖人は正信偈の中に、お釈迦様がこの世にお出ましになった理由を〝ただ弥陀の本願をお説きになるため〟と顕かにし、その本願のいわれを七人の高僧が身を通して聴いてゆかれ、自身まで届けてくれたと仰がれました。 

それは七高僧のイメージを一人一人が持っているということが一つでありました。お坊さんは清廉潔白!?であってほしいと誰もが願うように、私たち僧侶もどこかで持つ七高僧像があり、それはきっと立派で高潔で特別な人物像です。しかし実際は違いました。

七高僧はみな一様にどこかで落ちこぼれ、間違えたり、やり直したりして、仏法に聞いた人たちでありました。私が描きたかったのはそういう私たち人間の持つ、情けなさや、執着心です。この肖像画や挿絵のなかに私たち自身が抱えるものが見えてくれたら嬉しいです。                                 

                   佐々木 強  合 掌